2013年05月

2013年05月30日

フジペットとライカの同窓会

「フジペット」、懐かしい響きです。
カメラに特別の興味がなくても、この言葉を聞くと
昔を思い出して懐かしい気持ちに捕われる方は多いのではないでしょうか。
私は小学生の頃、X'masプレゼントに買ってもらいました。
多くの同級生が持っていた記憶があります。
ということは、遠足などに皆持ってきてたのかな。
家族の写真も、もちろん撮りました。

その当時の写真も、そしてカメラ自体も、
いつの間にかどこかに消えてしまいました。勿体無いです。
でも、何枚かの写真のイメージは、今でも鮮明に記憶に残っています。
人生最高の傑作写真でした。本当に。
最近撮っているのは駄作ばかり。
やっぱり芸術には「初心と感動!」が大切なんですよね。

そんな訳?で先日、遂に買ってしまいました、フジペット。
01ゲット
「ノークレームの現状渡し」ながら3,000円以上。
私のポリシーからすると破格の出費です。

早速チェックすると、シャッターや絞りのメカ部分は問題なさそうです。
02メカは問題なし
単純明快なメカニズムですから、
よほど乱暴に扱われていない限り、壊れようがないはず。

さすがにレンズにはクモリがありました。
03レンズはクモリ

既にキャノンデミのレンズの修理で、
酸化セリウムによるレンズ研磨を経験してますから、
どんなクモリもドンと来い!です。
レンズボードから問題のレンズを取り出しました。
04レンズボード取出し

05レンズ取出し

でも一応、まず一般的な手順を踏んでと思い、
普通のレンズクリーナー液を含ませた綿棒で拭ったところ、
これだけで完全にクリアーになってしまいました。
拍子抜けしました。
06クリアーなレンズ
見ての通り、本当に無色透明のガラスです。
コーティングなどというものは施されていないのですね。
単玉だし、このチープさ加減がいい味出てます。

これだけで修理完了です。
せっかくなので一応部品清掃と注油をしました。
単純なメカニズムほど信頼性の高い物はありません。
製造されてから半世紀以上も経ったカメラが、
途中でメンテされた気配もないのに、きちんと動作しています。

ところで、フジペットの歴史についてひもとくと、
EE機構などの付いていないこの初代機は、1957年に発売になり、
それから1960年くらいにかけて販売されたらしいです。
ということは、
バルナックライカの最終機”ライカⅢg”と製作時期が完全にかぶります。
面白いです。
この二台がそれから50年後の今日、こうして私の手元にあるんです。
07同期のライバル
まるで、久しぶりの小学校の同窓会で、
「おぼっちゃま」くんと「びんぼっちゃま」くんが再会したみたいです。

更に面白いのは、
ライカは発売時より値段が下がっているのに(当然!)、
フジペットは高くなっていることです。
発売時は1,900円くらいの物が、
今では、ゴミためから拾ってきたばかりのような汚れた個体に
倍以上の値段が付くこともあります。
また、整備済みで説明書と箱付きだったりすると3万円近かったりします。

皆さん、おもちゃと思って、大人になった時に捨てちゃったんでしょうね。
私の昔のフジペットはどうしたかな。
まったく記憶にないです。やっぱり捨てたのかな。
実家の物置の奥からでも、何かの拍子に出てきたりしたら嬉しいのですが。
...(続く)

toughchan at 00:00|PermalinkComments(0)

2013年05月20日

デミdemiのシャッター修理

(前回)からの続きです。

入手したキャノンデミEE17は次のような状態でした。
 1.後玉レンズ全面に菌糸状のカビ
 2.低速側でシャッターが開いたままになることがある
 3.シャッターボタンを押し込んでもシャッターが切れないことがある
まあ、カメラ4台纏めて一山いくらで買った物ですからしょうがないです。
01レンズにカビ
特に上の写真に写っているカビのしつこさは未体験の厳しさでした。
レンズクリーナー、オキシドールなどでも全く歯が立たず、
ついに禁断のレンズ磨きを行いました。

まず、前玉・後玉とも一枚ずつ取り出します。
02レンズ分解

カビのひどい一枚については、このように磨きをかけました。
03カビ落とし作業中
白のスポンジ台にレンズを両面テープで貼付けます。
丸くカットしたスポンジを電動ルーターに取付けます。
レンズに酸化セリウムという研磨剤を塗布して、ルーターで研磨します。
この最後の手段の結果、菌糸状のカビ跡はかなり薄らぎました。

シャッターの不具合は、シャッター羽根が油で湿潤し、
粘っこい動きになっていることが原因と考えられます。
それで、レンズを外してシャッターの羽根を露出させ、
ベンジンを少量たらしながら清掃しましたが
改善するどころか、更に油分を呼び込んでしまったようです。

やむを得ず完全にバラすことにしました。
シャッター羽根です。
04シャッター羽根

こちらはシャッターの下にある絞り羽根です。
05シャッター下の絞り羽根

こうして一枚一枚ベンジンで洗浄された羽根類は、
たいへん軽やかに動くようになりましたが、
今度は、再組み立て時に別のトラブル発生です。
シャッターと絞りの羽根にアクセスするために外したシャッターユニット(下の写真)
の戻し方が分からなくなってしまいました。
06シャッターユニット

このユニットは小さな部品の集合体で、
各部品は「ばね」と組み合わされて、正しく動作するようになっています。
上の写真でヒゲのように見えているのがばねです。
そのばねの数の多いこと!
ねじりばね(トーションばね)のオンパレードです。
ねじのアームの長さ・角度・先端形状など実に様々です。

分解の途中過程はデジカメで記録していたはずが、
一部陰になっていたりして、この沢山のばねが
元々どのように納まっていたか良く分からなくなったのです。
各部品の機能を解明して、各種ばねの正しい位置を確定するには
何日要するか分かりません。
或はついに確定できないかも知れません。

それで、ばね位置参照用に、
何ともう一台!デミEE17を買ってしまいました。
次の写真が二台目のデミのシャッターを参照している所です。
07バネの納め位置確認

再組み立て作業が迅速に行くように、そして
今後また同じ作業を行う場合に役立つかもしれないと思い、
ばねの位置を図面に落とし込みました。
08ばね納まり図解
そして、これを参照しながら
最初のデミの再組み立てはやっと完了しました。
....(続く


toughchan at 00:00|PermalinkComments(0)

2013年05月18日

能登を旅するキャノンデミ

1974年の3月に能登旅行に行きました。
能登周遊の観光バスに乗りましたが、このバスは冬場は運休していて、
この日から運転開始!というまさにその日でした。
まだ寒い時期なので観光客もほとんどいなかったです。
そのため途中区間をスポット乗車する方が時々いるだけで、
それ以外は私たちの専用のリムジン状態。

途中の観光場所の駐車場も次の写真のようにガラ空きでした。
01駐車場
こんな感じの写真を、
当時唯一の愛用機ニコンF2にTri-Xのフィルムを入れて撮りました。
自分で現像するモノクロ写真が好みでしたから、旅行の時も同じです。

と思っていたら、この能登旅行のアルバムには、
カラー写真も混じっていました。
02関野鼻近くの海岸
これは有名な能登金剛の海岸で強風にあおられている私です。
そして首からぶら下げているカメラは見慣れたNikonF2です。
ということは、もう一台、別なカメラを連れていたのですね。
まったく記憶にありません。

それでアルバムの写真を子細にチェックしました。
03上時国家
これは「上時国家」に立ち寄った時の一枚です。
女房が手にしているカメラ、これがもう一台のカメラのはずです。
このまるっこい形に何となく見覚えがあります。
女房のお母さんが持っていた「キャノンデミ」が確かこんな形でした。
旅行に行くので借りてきた可能性が高いです。

調べてみると、デミには数種類の兄弟機が存在するようです。
能登までついてきたデミが何というモデルか確定したくなりました。
どうでも良いことに夢中になってしまうタチなんです。

他のアルバムも探しました。
人間が写っている写真ばかりで、カメラが写っているのは少ないです。
カメラとは、写すもので写されるものでは無いことを実感します。
でも見つけました。
7907箱根
これは1979年に箱根の保養所に行った時の写真です。
お義母さんの前に、まるっこいカメラがストロボとコード付きで写っています。
このカメラが発売された頃は、まだホットシューが普及する前だったのでしょう、
カメラとストロボの接続にシンクロコードが必要だったようです。
女性ながらストロボまで使いこなしていたんですね。
残念なことに、この写真のカメラは後ろ向きなのでモデル名までは特定できません。

それから更に探して、ついに見つけました。
これは1980年に井之頭動物園で撮ったものです。
8010井の頭1

8010井の頭2
二枚目にはカメラの正面部分が明瞭に写っています。
これは「Canon demi キャノンデミ EE17」です。
1966年に売り出された機種です。

さて、ここまで調べたからには、このカメラを復活させずにはいられません。
現在、「思い出のカメラ」の復活を趣味としているので、
過去の面影を求めて、デミの中古品を探しまわることになりました。

ちなみに、私のカメラ遊びの基本方針は、
 1.中古の故障品を入手し(予算は1,000円くらい)
 2.分解し、メカニズムを学び、手に負える範囲であれば故障箇所を直し
 3.再度組み立て、うまく行ったら撮影して楽しむ
というものです。

今回も基本方針通りの中古品を何とか入手しました。
早速分解です。
01分解開始

この後、実に10日間以上、このカメラと格闘することになりました。
でも、目出たく完了です。
これまでで一番、精魂傾けました。
(この苦労話は別途備忘録として残すつもりです)
しかも、シンクロコード付きのストロボも別途買いました。
こんな時代遅れのものも売っているんですね。
ついでに、貼り革も新しいものに替えたので、見違えるようです。
02修理完了
デミで目白の風景を撮影するのが楽しみです。
(続く)


toughchan at 00:00|PermalinkComments(0)