2015年06月

2015年06月29日

ヤシカ-Y16のマガジン整備

近ごろ16ミリmmフィルムづいている私。
ミノルタ16を購入した時、おまけで"ヤシカ YASHICA-Y16"も付いてきました。
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洗練されたデザインのミノルタ16に比べると随分と無骨な印象です。
ボディも鋳物のような造りで、やたら重いです。

特にどうこうするつもりは無かったのですが、一応チェックしてみました。
・シャッター:OKそう。
・絞り:OKそう。
そして、この手のカメラを使う時に必須となる空のマガジン(カートリッジ)も、
次の写真に写っている通り、付属していました。
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これがないとフィルムを装填できません。
引き抜くとこんな状態。
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これはまるで拳銃の弾倉のようですね。
この空洞となった部分(スロット)にペンライトを当て、
シャッターをバルブ状態にして表から覗くと、
レンズの汚れ状態がおおよそ分かります。
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・レンズ:OKそう。

シャッターも絞りも、そしてレンズもOKで、
マガジンも備わっていれば、これで写せるはずです。
すっかりその気になってしまいました。
ところが、何と!、
マガジンの蓋を開けて良く見ると何か足りなさそう。
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そう、フィルム巻上げの軸はありますが、それに嵌める巻取シャフトがありません。

おまけで貰ったカメラとは言え、主要な機能には異常がなさそうなのに、
フィルム巻取シャフトが無いだけで写せないのは悔しいです。
それで、作ることにしました。
材料は、百均の"Can★Do"で買った化粧水入れ。
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これのキャップだけ使います。

まず、必要な深さをノギスで計りました。
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そのサイズになるよう、キャップに目印を付けました。
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後はルーターでカットしたり穴を開けたり、細ヤスリで穴の形を整えました。
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完成!!

見てくれは悪いですが、次のように巻上げ軸とピッタリ噛み合います。
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フィルムの装填の仕方は結構面倒くさいです。
暗袋ダークバックの中の難しい作業となるので、
不要なフィルムを用いて事前に明るいところで確認しました。
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そして試写。
16mmフィルムについて、試写後に必要な現像やスキャニングは、
ミノルタ16の修理時に何度も訓練したのでお茶の子です。
撮影結果は次の写真です。
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なかなか良いじゃありませんか。
これだけ写るとなると、いくらミノルタのおまけとは言え、
このヤシカも捨てるわけにはいかないし、大事に保管するしかありません。

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2015年06月24日

ミノルタ16用フィルムの製作

前回)からの続きです。

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この写真に写っているミノルタ16用のフィルムは、もう製造されていません。
ですので、今回ミノルタ16を使うために、フィルムを自作しました。
基本的には、市販の135フィルムの両端を数ミリ切り落とし、
中央部の16mm巾の部分のみ切り出すというオーソドックスな方法です。
その概要を述べます。

切り出し道具としてできるだけ鋭利なものが欲しかったので、
安全剃刀を買ってきました。Amazonにもありますよ。
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その四隅の部分のみカットして使います。
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下の写真で後方の「フィルムスリッター」は、
もともと"ミノックスMinox"フィルムを切り出すためのものです。
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ここに写っている二つの白いブロックが、スリッターの自作替刃です。
スチレンペーパーを重ねばりして適度な厚さにし、
そこに剃刀の刃を差し込んで瞬間接着剤で固定しました。
刃の位置と数を変えることにより、自由な巾のフィルムが作れます。

試行錯誤の末に完成した替刃と、切り出しを待つフィルム。
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替刃をこのようにフィルム面に押し付けるようにセットします。
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裏から見ると、剃刀の刃の先端が次のように少し飛び出しています。
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<ここから先は暗袋ダークバックの中で作業します>
このままクランクレバーを回してフィルム先端を固定したドラムを回転させると、
安全剃刀の薄手の刃のおかげで、きれいにフィルムが切り分けられます。
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切り分けられたフィルム中央部の16ミリ巾の部分のみロール状にして、
カートリッジ(マガジン)の片方に詰め込みます。
先端はリーダー部として数センチ出したまま片方だけ蓋をします。
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<ここからは明所での作業です>
フィルムの先端を「巻取りドラム」にセロテープで止め、
ドラムをカートリッジのもう片方に納めます。
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蓋をします。
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蓋が不用意に開かないようにセロテープを貼ると安心です。

さて、ミノルタ16シリーズの使用説明書には、
かつて市販されていた16mm巾のフィルムを買ってきて、
自分で詰め替える手順が載っています。
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それによると、20枚撮りの場合は、
フィルム長さは18インチ(45センチ)だそうです。

でもダークバックの中で、所定の長さのフィルムを得るのは大変です。
私は逆に、切り出したフィルムの長さから撮影可能枚数を算出しています。
ちなみに、フィルムスリッターを3回転したときは次のようになります。
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一目瞭然ですが、一応、解説すると、
フィルムは、ダークバックに入れる前に、既に8センチくらい感光しています。
(解説図でピンクに囲われた部分)
切り出したフィルムをロール状に巻いてカートリッジに納める時に、
感光してしまった側をリーダーにするとフィルムを無駄無く使えます。

もっとたくさん撮りたい場合はスリッターの回転数を増やして、
未感光部分を長くします。
そして、その長さ(ミリ)を16で割れば撮影可能枚数を算出できます。
(機種が16QTや16-MGSの場合は、イメージサイズが大きいので19で割る)
カートリッジをカメラにセットして、計算上の撮影可能枚数を撮り切った後は、
念のため更に一二枚「から写し」をします。

注)フィルムスリッターの詳細と、本来の使用方法に付いては
 「ミノックスMinox用フィルムの自作」をご覧下さい。

続く


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2015年06月20日

ミノルタ16の分解修理清掃

前回)からの続きです。

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ミノルタ16
縁あって入手したミノルタ16、やはりきちんと写らないのは悲しい。
ということで、汚れているらしいレンズの清掃に取りかかりました。
基本的に全部分解しなければならないので、再組み立て時に間違わないよう、
途中経過をデジカメEP3で記録しながらの作業です。
このデジカメって、お爺さんの蘇生手術を見守る孫のようなものかな?
ちなみに、ネット上にもミノルタ16の分解修理の参考例は皆無、
自分が残す記録写真だけが頼りです。

以下に、写真→解説の順で載せました。
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ここに見えているネジを外して順次分解して行きます。

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エンドカバーを外します。細かい部品の位置に注意。

追加
こんな部品もバラバラになると元の位置が分からなくなります。

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サイドカバーをスライドさせて外します。

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操作プレートを外します。

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ボディの開閉をスムースにするためと思われる薄い金属板がありました。

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フィルム室左側の巻上げ軸中心のネジを外すと、

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巻上げシャフト自体が外せます。

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シャッターボタンの付いた板を持ち上げると、
メカ部分が露出するので、位置関係など確認します。

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レンズと絞りが一体となった主要部分を持ち上げます。

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フィルム圧板も外します。
撮影時のみフィルムを押さえつける機構に感心!

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ギロチン式の二枚羽根シャッターはケース側に付いています。
こちらは不具合なさそうなので、清掃のみ。

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左端の円盤を回すと、二枚の絞り板が相互にスライドする機構。
絞り板を挟み込んでいる遮光用のモルトが悲惨なくらい劣化しています。
50年以上前のカメラですからね。

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劣化したモルトを削ぎ落とします。

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絞り板を一枚だけ引き抜いた状態。

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レンズユニットを台座から外したところ。

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鏡胴取付け金物と遮光フェルト。
この形状のフェルトかモルトを都合3枚ばかり復元します。

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鏡胴を側面から見た状態。中央部のスリットを二枚の絞り板が出入りします。
ここからの光線引きを避けるために、
絞り板を挟み込むようなモルトが必要なのですね。

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レンズ押さえを回し外して、対物側の前玉が露出したところ。
ここが最大の難関でした。前玉が外せないのです。
外れないと前玉内側のカビと汚れが落とせません。

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鏡胴の先端にすっぽり嵌っており、レンズサッカーでも持ち上がりません。
爪楊枝の先などでこじ開けようとしても、ビクともしません。
「これは天の岩戸か!」
でも、ここで諦めたら、今回の作業は何の意味もなかったことになります。
だって、汚れたレンズを清掃するために分解を始めたんですからね。

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ここで50年前の知識が役に立ちました。受験勉強万歳!!
中学理科で学んだ例の「熱膨張率」です。
あらかじめ冷やした鏡胴を、沸騰したばかりの熱湯に放り込むと、
あら不思議!レンズが勝手に外れてくれました。

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そしてバラバラになったレンズ群。思う存分磨き上げました。

そして再組み立てして完了!!
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もっとも、これは最初の写真と同じです。
人間は、内面を磨くとそれが顔にも表われる、と言いますが、
カメラは内部がきれいになっても外側は変わらないようですよ。
残念。
でも「撮影結果」は、清掃の前と後では完全に別物でした。
そして、今回はスルーしてしまいましたが、
いずれミノルタ16のシャッター部分の修理も手掛ける予定です。
(8/6追記:「ミノルタ16のシャッター修理」をアップしました)
というのは、シャッター不調のミノルタ16も手元にあるんです。
何しろ、いつの間にか16mmフィルムのカメラがこんなになっていました。
P6205662

続く

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2015年06月18日

30年前これは誰の見た風景?

前回)からの続きです。

誰かが写して、でも現像はされずに忘れ去られたフィルム。
それが30年を経過して私のもとにやって来ました。
そのフィルムと、フィルムが入っていたと思われるカメラを、
ebayに出品していたのはアメリカのsellerです。
住所を見ると、
Castro Valley, California, United States
となっていました。
きっと、この近くに住んでいたどなたかが、
カメラの中に撮影済みのフィルムが残されていることを知らずに、
中古カメラ屋さんに売り渡してしまったのでしょうね。

そんな昔のフィルムの現像がうまく行く確信はありませんでしたが、
とにかくやってみたところ、予想以上の仕上がりでした。
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確認できたコマ数は19枚分。比較的明瞭な写真もありました。
それらを手掛かりに、撮影時の状況について勝手に想像してみました。

1983年頃のカリフォルニアの良く晴れた週末、
カメラ好きのTough君はいつものように"Minolta-16Ps"を持って、
家族や仲間達と連れ立って近くの競馬場に行きました。
この日は、欧米各国の楽隊などが参加して、
国際親善のフェスティバルが開かれるのです。

会場に着いて、まず最初にお姉さんにカメラを向けました。
気のいいお姉さん、いつも写真のモデルになってくれるのです。
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観覧席の裏手では、既に各国の楽隊が行進の準備をしていました。
スコットランドの民族衣装、タータン模様のキルトを身につけた楽隊もいますね。
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そして程なく、競馬場の芝生のコースに、
星条旗を先頭にした一団が見えてきました。
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各国の整然としたパレードに、観客は大喜びです。
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次の写真、星条旗とユニオンフラッグが並んでいます。
気温も上がって、上半身裸の男性もいますね。
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さて楽隊と観客を撮影した後、Tough君が観覧席の裏手の庭園に行くと、
女ともだちのSusieが休んでいました。
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「やあ Susie!、そのワンピースは素敵だね。とても似合っているよ。
 写真を撮ってあげるね」
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そして、庭園の木陰に座っている叔母さま達も撮ってあげました。
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Tough君は家族や友人の写真を撮って、皆んなに配るのが好きなんです。

この日は17枚撮影しました。フィルムの残りは3枚です。
翌日、同僚のTomとBillを誘って一杯飲むことになっていたので、
その席で撮り切ってしまうことにしました。
「Tom、君の写真を一枚撮ろう。フィルムが残っているんだ」
最後の3枚a
「ああそうだ、Billと二人のところも撮っておこう」
最後の3枚b
そして、最後の一枚は逆に、TomがToughを撮りました。
いつも撮る側のTough君にとって自分が被写体になることは珍しいです。

でも、残念ながらToughの写真は残っていませんでした。
それは、こういう理由です。
最後の3枚分のフィルムをスキャナで読み込むと、次のような状況でした。
最後の3枚
18枚目は普通に写っています。
19枚目は右端側が不用意な「光線引き」で少し白くなっています。
20枚目は完全に感光して、元の画像は「蒸発」したかのように失われています。

このような不用意な感光ミスを避けるためには、
このカメラは規定の20枚の撮影が済んだ後に、更に2枚の空送りが必要です。
今回のフィルムは20枚目を撮った後、空送りされずに、
別の誰か(多分中古カメラ屋さん)によって裏蓋が開けられてしまったようです。
あれほど写真を大切にしてきたTough君が、
せっかく撮り終えたフィルムをきちんと現像に出さずに放棄するなんて、
彼に何が起きたのでしょうか?
突然「人間蒸発」しちゃったのかな?.....情報求む

続く

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2015年06月16日

ミノルタ16用カートリッジの入手

前回)からの続きです。

50年に渡る思いを込めて入手した、ミノルタ16ですが、
これで撮影するためには、カートリッジとフィルムが必要です。
そして、このカートリッジ(マガジンとも言う)は、
空であろうがフィルム入りであろうが、現代ではとても入手困難です。
というのは、とうの昔に製造中止になり、
かつ骨董的価値も無かったので皆んな捨てられてしまったからです。

いかにも貴重品と思えるカメラ本体は、
いろんな人が保管しているのに(だから中古市場で良く見かける)
一見無価値と思えるカートリッジは、レアものになっている。
歴史の皮肉ですね。
ヤフオクで見かけても、いかにも人の足元を見るような高値がついています。

そんな私が穴場と見つけたのは、いつものイーベイ(ebay)。
ここを丹念に探すと、カメラ本体とセットで売られていることがあります。
私が購入したセットはこれです。
01ミノルタ16Ps
ミノルタの16mmカメラの普及機"ミノルタ Minolta-16Ps"とフラッシュ、
そして期限切れ未使用フィルム入りの「カートリッジが2個!」です。
これで何と僅か"$15"でした。
(もっとも、送料に$18かかったのが理不尽のような気もしますが)

商品はカリフォルニアから落札10日後に海を(空を?)渡って到着。
カラーフィルムの詰められたカートリッジでした。
一つは箱入りで、もう一つはむき出しで。
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使用期限は、1985年の1月って、約30年前ですね。
フィルムに心があったなら、この30年間、
世紀をまたいで無駄に老い行く日々を、どんな気持で過ごしていたことでしょう。

ふと、いたずら心が湧いてきました。
カートリッジに貼られたシールを見ると、
現像方法として、"PROCESS C-41"と指示されていました。
これは私の使用している現像液「ローライ デジベース」の現像プロセスです。
カートリッジに現在詰められている古いフィルム、どうせ捨ててしまうのなら、
この21世紀に、写るものか写らないものか試してみることにしました。

そして、今回おまけ?で付いてきたカメラ"ミノルタ-16Ps"にカートリッジを装填して、
取り敢えず数枚分を撮影した後、裏蓋を開けてみました。
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「あれ???? フィルムが見えなくなってる」
フィルムは20枚撮りでした。
その内の数枚分を撮っただけなので、ここにはフィルムがまだ残っているはずです。
事態が良く飲み込めませんでした。
フィルムがカートリッジの一方に完全に送り込まれているということは、
既に規定の20枚以上が撮影されたことになります。
やっと分かりました。
「そうか未使用のフィルム入りのカートリッジではなく、
 撮影済みのフィルムが入ったままのカートリッジだったんだ!」

では、一体誰が、いつ何処で撮影したものなのでしょう?
分かるはずはありません。
そして以前、これと同様の体験をしたことを思い出しました。
50年前これは誰の見た風景?」です。
その時と同じように、できるかどうか分かりませんが、
このフィルムに30年間も閉じ込められていた風景を取出してみようと思いました。

続く

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