2015年07月

2015年07月13日

マミヤ16スーパーのピント調整

前回)からの続きです。

"マミヤ Mamiya 16 Super"の分解修理が済んだ(はず)。
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固着していたヘリコイドも動くようになり、
ピントを無限遠に合わせれば、
この写真のように前玉もきちんと奥に引っ込みます。

以前は次のようにピンボケだった公園の写真も、
02最初のピンボケ
修理後の試写では、次のように改善しました。
03まだピンボケ
でも、これを「改善」と呼ぶか?
やっぱり、ピンボケはピンボケですよね。

真面目に再調整する必要があります。
それでフィルム面に白紙を置いて、
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次のような装置を考えました。
05は1てん5フィート
カメラから1.5フィートの距離にペンライト置き、その光をレンズに向けます。
シャッターを開放にしたまま、胴体下部の穴から焦点面をチェックします。
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その点光源の像が最小になるレンズ位置を、
距離指標の1.5フィートにセットします。

更に実写でチェックです。
今度は床に1フィートごとの数字を表示した紙を立てました。
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この写真は女房が撮って、子供達にメール送付したもの。
亭主の気がふれた、とでも心配したのかな?
確かに、黙々と床に数字を置いていく男の姿って、何か不気味ですよね。

スタンリー・キューブリック監督の映画『シャイニング』では、
ジャック・ニコルソン演じる小説家ジャックがリゾートホテルに籠って、
黙々と同じ単語をタイプライターに打込む姿に、
ジャックの妻ウェンディが恐怖を感じるシーンがありました。
雪に閉ざされたリゾートホテルの美しい情景の中で、
少しずつ狂っていく小説家を演じるニコルソンが秀逸でした。
あれも、ウェンディが「夫はどんな小説を書いているのかな?」
という興味で、夫に気づかれぬよう机の上の原稿の束を手に取ったら、
すべてのページが"All work and no play makes Jack a dull boy."
のフレーズで埋め尽くされていたのでしたね。
私の女房も、恐怖を感じて子供達に助けを求めたのかも知れません。

その数字の列を、焦点位置を変えたカメラで撮影しました。
3フィートにセットして撮影。
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[3]の数字にちゃんとピントが来ているでしょう?
次は6フィートにセットして撮影。
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[6]の数字がきれいに見えています、OK。

調整済んだ"マミヤ Mamiya 16 Super"で再び試写しました。
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最初の公園の写真です。やっとまともに写りました。
他の場所でもOKでしたよ。
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そして、このカメラの最大の特徴、
小さいけれども焦点調節ができる機能を使ってみました。
「6フィート」にフォーカスレバーを合わせて撮影した次の写真。
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近く(約2m)の鉄柵にピントが合って、遠景はボケています。
こんな写真を撮ることに何の意味もありませんが、それはさておき、
ミニカメラで、こういう写真が撮れるのは楽しいです。

ちなみに、つい先日、
もっと正統的なピントチェック方法も試してみました。
後日まとめてアップする予定です。(→2015/07/16アップ済み)

(続く)

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2015年07月10日

マミヤ16スーパーの分解修理

ミノルタ16とヤシカ16の再生を手掛けました。
当然ながら次はマミヤ16です。
入手した個体は、"マミヤ スーパー Mamiya Super 16 Ⅲ型"、
1958年に発売されたものです。
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ミノルタ・ヤシカと同様に、これらの16mmカメラを使うには、
空のカートリッジ(マガジン)が必須です。
今回は、それも付属していたので、ちょっとお買い得でした。
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外見は年代の割には奇麗でしたが、内部はどうか分かりません。
製造から半世紀以上経過したこの頃の機器で、トラブル無しはあり得ません。
まず、カメラ上部を見ると、次のように
フィルムカウンターの数字が半分ずれていました。
03a
でも巻上げはできそうでした。

それ以外では、絞りの作動は問題なさそうでした。
また、シャッタースピードは設定ごとに変化はしませんでしたが、
多分すべて最速の1/200で一応切れているようでした。
「では、分解修理する前に一応試写を」と撮影してみたら、
とんでもないピンボケで、何を写したのか分からないような状態でした。
03b

それで、やっぱり分解修理の開始。
直るか、壊れるか、どうせピンボケしか撮れないのであれば、
壊れたとしても惜しくはありません。

まずビスを抜いてトップカバーを外しました。
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この写真左側の白黒的状の円盤を押えながら、
裏蓋を開けて、フィルム室内の巻上げ軸を回しました。
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これで、次の写真左側の二つのレバーが外せます。
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長いのが絞り調節用、短いのがシャッタースピード調節用です。

そして上蓋を開けるとシャッター機構が露出します。
07a
中央にシャッター&チャージレバー(これでシャッター羽根を蹴飛ばす)、
左にスピード調節のためのカムがあります。
左上には1/2から1/100までのスピード変化を生み出すべく、
シャッター羽根の開閉のタイミングを司るスローガバナーの歯車が見えています。
赤矢印の位置で、その歯車の側面に取付けられたピンと、
それに隣接するレバーの端部が接しています。
ここがうまく連動して、シャッタースピードが変化する機構です。
(この辺は、空打ちしながらじっくり観察すると面白いです)

次に表側の化粧カバーを外しました。
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まだ黒色の内カバーがありました。
この化粧カバーと内カバーの間に、フィルター収納用プレートや
ファインダーフレームなどが納められています。
それらの隙間を作るための金色のスペーサーが、
この写真の両端に見えています。
再組み立て時に注意です。

今度は裏返してフィルム室側を見ると、中央に銀色のビスが見えます。
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それを外すと、内カバーが外れて、主要機構が露出します。
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次の写真で左側にある銀色プレート部分がスローガバナーです。
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この個体はガバナーの動きが重く、そのため
単速の1/200でしかシャッターが切れなかったのでした。
これを外して、ブロックごとベンジンに浸けました。
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こうして一時間ほど浸してから、
シャカシャカと揺すって洗うと、元の機能がよみがえりました。
これでシャッタースピードは、B、1/2〜1/100連続可変、1/200が選べます。

さて次が問題。
ピンボケの理由です。このカメラは、
前玉を回転させて前後させることによりピント調節をしています。
13a
ところが、この写真で分かるとおり、
スプリングで引っ張っているにもかかわらず、
前玉が赤矢印の右方向に回転してくれません。
ヘリコイドが完全に固着していました。
次のようにヘリコイドのネジが見え過ぎです。
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この前玉を外して、ヘリコイド部分を掃除しようとしましたが、
どんなに力を入れても回りませんでした。
それで、禁断の「KURE CRC 5-56」の登場です。
ヘリコイドのネジ部分に流し込み待つこと数時間、
ペンチで挟んで思い切り回すと、やっと外れました。
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しかし周辺は「KURE CRC 5-56」でびっしょり。

やむを得ず、本体からレンズユニットを纏めて外しました。
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この写真は既に中玉レンズは外したところですが、
その他、すべての部品を分解してアルコールで洗わざるを得ません。
まず絞り板を一枚抜き取り、
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二枚目も抜き取り、
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最後は次のようにシャッター羽根(雲形の薄板)も外して清掃。
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部品相互の位置関係を間違えないよう、また、
シャッター羽根の取付軸部のワッシャーなども忘れないように、
しつこく写真を撮りました。

そしてシャッター絞り機構部分の再組み立て完了。
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これを組み込み、レンズや他の部品も取付け、カバーを閉じて完成!
21完成
のはずでしたが、実はまだ頂上は遥かに遠く、
ここまでは三合目程度に過ぎませんでした。

続く

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