マガジン

2015年06月24日

ミノルタ16用フィルムの製作

前回)からの続きです。

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この写真に写っているミノルタ16用のフィルムは、もう製造されていません。
ですので、今回ミノルタ16を使うために、フィルムを自作しました。
基本的には、市販の135フィルムの両端を数ミリ切り落とし、
中央部の16mm巾の部分のみ切り出すというオーソドックスな方法です。
その概要を述べます。

切り出し道具としてできるだけ鋭利なものが欲しかったので、
安全剃刀を買ってきました。Amazonにもありますよ。
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その四隅の部分のみカットして使います。
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下の写真で後方の「フィルムスリッター」は、
もともと"ミノックスMinox"フィルムを切り出すためのものです。
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ここに写っている二つの白いブロックが、スリッターの自作替刃です。
スチレンペーパーを重ねばりして適度な厚さにし、
そこに剃刀の刃を差し込んで瞬間接着剤で固定しました。
刃の位置と数を変えることにより、自由な巾のフィルムが作れます。

試行錯誤の末に完成した替刃と、切り出しを待つフィルム。
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替刃をこのようにフィルム面に押し付けるようにセットします。
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裏から見ると、剃刀の刃の先端が次のように少し飛び出しています。
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<ここから先は暗袋ダークバックの中で作業します>
このままクランクレバーを回してフィルム先端を固定したドラムを回転させると、
安全剃刀の薄手の刃のおかげで、きれいにフィルムが切り分けられます。
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切り分けられたフィルム中央部の16ミリ巾の部分のみロール状にして、
カートリッジ(マガジン)の片方に詰め込みます。
先端はリーダー部として数センチ出したまま片方だけ蓋をします。
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<ここからは明所での作業です>
フィルムの先端を「巻取りドラム」にセロテープで止め、
ドラムをカートリッジのもう片方に納めます。
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蓋をします。
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蓋が不用意に開かないようにセロテープを貼ると安心です。

さて、ミノルタ16シリーズの使用説明書には、
かつて市販されていた16mm巾のフィルムを買ってきて、
自分で詰め替える手順が載っています。
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それによると、20枚撮りの場合は、
フィルム長さは18インチ(45センチ)だそうです。

でもダークバックの中で、所定の長さのフィルムを得るのは大変です。
私は逆に、切り出したフィルムの長さから撮影可能枚数を算出しています。
ちなみに、フィルムスリッターを3回転したときは次のようになります。
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一目瞭然ですが、一応、解説すると、
フィルムは、ダークバックに入れる前に、既に8センチくらい感光しています。
(解説図でピンクに囲われた部分)
切り出したフィルムをロール状に巻いてカートリッジに納める時に、
感光してしまった側をリーダーにするとフィルムを無駄無く使えます。

もっとたくさん撮りたい場合はスリッターの回転数を増やして、
未感光部分を長くします。
そして、その長さ(ミリ)を16で割れば撮影可能枚数を算出できます。
(機種が16QTや16-MGSの場合は、イメージサイズが大きいので19で割る)
カートリッジをカメラにセットして、計算上の撮影可能枚数を撮り切った後は、
念のため更に一二枚「から写し」をします。

注)フィルムスリッターの詳細と、本来の使用方法に付いては
 「ミノックスMinox用フィルムの自作」をご覧下さい。

続く


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2015年06月16日

ミノルタ16用カートリッジの入手

前回)からの続きです。

50年に渡る思いを込めて入手した、ミノルタ16ですが、
これで撮影するためには、カートリッジとフィルムが必要です。
そして、このカートリッジ(マガジンとも言う)は、
空であろうがフィルム入りであろうが、現代ではとても入手困難です。
というのは、とうの昔に製造中止になり、
かつ骨董的価値も無かったので皆んな捨てられてしまったからです。

いかにも貴重品と思えるカメラ本体は、
いろんな人が保管しているのに(だから中古市場で良く見かける)
一見無価値と思えるカートリッジは、レアものになっている。
歴史の皮肉ですね。
ヤフオクで見かけても、いかにも人の足元を見るような高値がついています。

そんな私が穴場と見つけたのは、いつものイーベイ(ebay)。
ここを丹念に探すと、カメラ本体とセットで売られていることがあります。
私が購入したセットはこれです。
01ミノルタ16Ps
ミノルタの16mmカメラの普及機"ミノルタ Minolta-16Ps"とフラッシュ、
そして期限切れ未使用フィルム入りの「カートリッジが2個!」です。
これで何と僅か"$15"でした。
(もっとも、送料に$18かかったのが理不尽のような気もしますが)

商品はカリフォルニアから落札10日後に海を(空を?)渡って到着。
カラーフィルムの詰められたカートリッジでした。
一つは箱入りで、もう一つはむき出しで。
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使用期限は、1985年の1月って、約30年前ですね。
フィルムに心があったなら、この30年間、
世紀をまたいで無駄に老い行く日々を、どんな気持で過ごしていたことでしょう。

ふと、いたずら心が湧いてきました。
カートリッジに貼られたシールを見ると、
現像方法として、"PROCESS C-41"と指示されていました。
これは私の使用している現像液「ローライ デジベース」の現像プロセスです。
カートリッジに現在詰められている古いフィルム、どうせ捨ててしまうのなら、
この21世紀に、写るものか写らないものか試してみることにしました。

そして、今回おまけ?で付いてきたカメラ"ミノルタ-16Ps"にカートリッジを装填して、
取り敢えず数枚分を撮影した後、裏蓋を開けてみました。
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「あれ???? フィルムが見えなくなってる」
フィルムは20枚撮りでした。
その内の数枚分を撮っただけなので、ここにはフィルムがまだ残っているはずです。
事態が良く飲み込めませんでした。
フィルムがカートリッジの一方に完全に送り込まれているということは、
既に規定の20枚以上が撮影されたことになります。
やっと分かりました。
「そうか未使用のフィルム入りのカートリッジではなく、
 撮影済みのフィルムが入ったままのカートリッジだったんだ!」

では、一体誰が、いつ何処で撮影したものなのでしょう?
分かるはずはありません。
そして以前、これと同様の体験をしたことを思い出しました。
50年前これは誰の見た風景?」です。
その時と同じように、できるかどうか分かりませんが、
このフィルムに30年間も閉じ込められていた風景を取出してみようと思いました。

続く

toughchan at 00:00|PermalinkComments(0)